口腔ケアお役立ち情報
一般的に義歯は失った歯の機能を回復するために装着すると考えられています。しかし、現在ではこの他にもさまざまな高齢者の義歯装着による効果が報告されています。
例えば、「義歯を装着していた方が外していた時より嚥下までの時間が短くなった」。つまり、義歯装着によって口腔内での食物の処理が円滑になったと解釈できます。このことは、誤嚥のリスク減少、食事時間の短縮、短縮による疲労の減少なども期待できます。この他にも義歯を装着する事によって歩行が安定したという報告もあります。このように、適合の良い義歯は口腔のみならず全身状態への好影響も期待できます。
不潔な義歯には、多くの微生物(誤嚥性肺炎・日和見感染症・心内膜炎起炎菌、MRSA、カンジダ菌、など)が存在します。免疫力の低下した高齢者にとって清掃不良の義歯は、生命を脅かすものになりかねません。したがって、毎食後の口腔ケアの一環として義歯清掃は必要不可欠なのです。視力の低下した高齢者には、鈎歯や孤立歯の周囲が不潔な場合が結構ありますので注意してください。
特に就寝時は、特別な場合を除いては義歯を外して清掃後、水に浸けておいた方が良いでしょう。また、定期的に義歯洗浄剤を使用することもお勧めします。
義歯を清掃する
義歯の表面には食物残渣やプラークなどが付着しています。毎食後、義歯を外して清掃することを励行してください。義歯専用のブラシには、義歯の粘膜面や人工歯列など凹凸の少ない部分の清掃に適した植毛と、クラスプなどの金属部分や細かい部分の清掃に適した2種類の植毛のあるものが便利です。また、リウマチの方、片まひのある方にも使いやすい形状の義歯ブラシもあります。
硬軟2種類の植毛のある義歯ブラシ
粘膜部や人工歯など凹凸が少ない広い面は大きめの植毛部(柔らかい方)で清掃します。
金属部分や細かな部分は山型にカットした植毛部(硬い方)で清掃します。
ユニバーサルデザインの義歯ブラシ
L字部分を親指と人差し指の間に通すように植毛部の裏に手のひらを乗せると、手指機能が低下した方も使えます。
義歯を除菌・消臭する
義歯の細かな隙間に浸透し、除菌とともにいやなにおいを除去するのが義歯洗浄剤です。寝る前に義歯を外して水に漬けておく際に、水の代わりに義歯洗浄剤を溶かした水に浸漬しておくこともできます。
1.義歯全体が浸るようなコップなどに、義歯洗浄剤と水またはぬるま湯を入れます。
2.義歯洗浄剤が発泡しながら溶けるので、この中に義歯を浸します。
3.ブルーの水が透明になったときが洗浄終了の目安です。取り出して流水ですすぎます。この時、義歯ブラシでブラッシングすると、浮き上がった汚れをより効率よく落とせます。
義歯を外した粘膜のケア
義歯を装着している人は粘膜と義歯の間にものが挟まりやすく、義歯を外した後の清掃が必要です。
粘膜を清掃するときは、力を入れすぎないよう注意します。
1.粘膜ケア用ブラシで、顎堤をマッサージするように清掃します。軟らかな毛先が粘膜を傷つけることなく清掃できます。
2.舌の表面に軽く毛先をあて舌苔を清掃します。軟らかな毛先は舌表面の味蕾を傷めることなく清掃できます。
エラック義歯ブラシ らくらくスタイル
片面2ヘッド植毛で、わずらわしい持ちかえなしで2つのヘッドを使い分けられ、効率よく清掃できます。
健康な方から手指機能が低下した方まで使いやすい、ユニバーサルデザインのハンドルです。
エラック義歯洗浄剤(顆粒)
高い洗浄力と除菌消臭性能を持ち、義歯の変色や変質の心配が極めて少ない組成です。片手でも使える便利な計量キャップ付きです。
口腔粘膜ケア用ブラシ エラック510シリーズ
粘膜清掃に適した軟らかい植毛と大きめのヘッド。植毛はソフトとエクストラソフトの2種類。
仕上げ磨き用歯ブラシ エラック541シリーズ
腫れ、痛みで一般の歯ブラシが使えない方に適しています。軟らかな3種類の植毛から選べます。
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